介護保険に負けた、「福祉」

福祉 には哲学が必要だ。

人は人を助けると同時に、傷つけもする。

人は人を助けたいと思うのですよ。
同時に、人を傷つけて保身をするんですよ。

人間の本性、というのは一貫性のない曖昧さの中にこそあって。
動物(いわゆる動物)の一貫性と比べれば、ひどく右往左往するんです。
それこそ、人間らしさであって慈しむ部分であって。
これが、僕の中では、慈しむのであって愛ではないのではないか、と。
愛って、人間に可能なレベルにあるのかなぁって。
でも、同類、同じ境遇、同じ限界をもっている、という。
愛って、なんだか同じ立ち位置に居れていない状態に感じるんじゃないかって。
「慈しむ」というのは、しっくり来るんです。

人間ですから、自分ひとりでは成立しない。
他者がいるということは、相互に影響をし合うということで。
それが、快であっても不快であっても。
自分を自覚するには、他者が必要で。
人間であるには、他者の中に自分を感じることが必要で。


どんな、誰の中にも、自分の一部分が見えるんで。
逆に自分の一部分は、誰の、他人の中にもあるのだろう、と想像して。

 

だから、

つらいとか、悲しいとか。

楽しいときにはあっという間に通り過ぎてしまう人間らしさを、

感じられている時間。

そんなふうにも思うんだけれど。

 

どうか、どうか、

自分を、何よりも自分を、きちんと慈しむ人であってほしい。