「すべての時間の中で、僕は今を生きている。」 By 市川拓司氏
小説、「こんなにも優しい、世界の終わりかた」を読んでいる。
初々しい、恋愛小説であるんだけれど、
好きな人をあまりに好きであるばかりに、自分を卑下してしまう。
結果、自分の感情を相手に伝えることも、
結果、自分の感情のままに行動することも、
それは、相手を、恋する人を、汚してしまう、陥れてしまうことになるのではないだろうか、
という、恐れに、純粋さ、青春さを感じつつ読み進めている。
経験の多さだけで、大人になったのだとは思わない。
けれど、
ひとつの出来事を、真剣に感情を振幅されて迷い、悩み、行動し、沈黙し、
思いやり、正義とは、正しいとは、自分とは、あの人は、と。
大事に、一生懸命忘れずに正面から、向き合い逃げることはしなかった。
今までの、すべての時間を、
人並みに忘れ、記憶していることは記憶しながら、生きている。
大事なこと、真剣であったこと、真剣な気持ちをいただいたこと、
そういうことは、必要なことは覚えているはず。
そんな、時間の中を生きていた。
思い出という形にはなるのかもしれないけれど、
思い出の中に生きる僕は、今を生きる僕と何ら変わらない。
今の僕は、成長したのかもしれない。
その分、成長した分、捨ててしまったもの、見えなくなってしまったものもある。
けれど、思い出の中で生きようと思いでの中に埋没する時間の時、
僕は、どの時間の中でも生きられる。
「強さ」なのかもしれない。
「弱さ」なのかもしれない。
ただ、「すべての時間の中で、僕はいまを生きている。」