父。
あんまり急なお別れだったから、後悔だらけだよ、父ちゃん。
たまにしか実家に帰らなかったし、
そんなに嚥下ができなくなっていたなんて知らなかった。
たまに帰ったら父ちゃんは俺のことは嬉しそうに迎えてくれたね。
仕事は忙しいのかとか、彼女はどうしているのか、とか、
俺の子供の事とか、
色々心配して聞いてくれたね。
当たり前のことが、父ちゃんのやさしさだったんだってこと、
今、わかったよ。
もっと、ひとつひとつの心配に、きちんと答えてあげればよかった。
少し面倒くさそうに、返事をしていたよね。俺は。
ごめんなさい。
俺、
介護の仕事をしてきていたらから、
父ちゃんが息子へ話しかけていたのに、
俺はきちんと息子として父ちゃんの前にいれたかどうか自信がないよ。
まるで、要介護のご利用者の前にいるように、
営業用の声掛けをしていたんじゃないかって、
くどくどと心配事を訴えてくるご利用者への対応のように、
父ちゃんと話しをしていたんじゃないかって、後悔している。
父ちゃん。
俺、父ちゃんの前で、きちんと息子としていたかったよ。
どうしようもない父ちゃんだったけれど、
俺も、、どうしようもない息子だったね。
父ちゃんから教えてもらえたことは少なかったけれど、
その代わり、俺が何をしても、わかってくれていたのは、父ちゃんでした。
自由にやりすぎて、どうしようもなくなった時に助けれてくれたのは、
父ちゃんでした。
もっと、
きちんと、父ちゃんに向き合って、
きちんと、父ちゃんの息子でいたかった。
いつか、俺には父親がいないから親父はどうすればいいかわからないんだって、父ちゃんは自分の事を言ってたね。
遅くなったけれど、
俺は、そんな父親でいてくれて、幸せでした。
これからは、
少し距離があるけれど、きちんと息子として逢えたらいいなと思います。
息子と話したがっていた父ちゃんなのに、
素直に息子でいられず、強がりでしか話しをすることができなくて、ごめんなさい。
ありがとう、
きっと、いつもいつも、心配してくれていたんだよね。
実は、
俺、父ちゃんが大好きだったんだって、今、思ってます。