ユニット型施設の課題について-2
前回、番号を振ったのだけれども、それにはかかわらずに徒然と書いていく。
もともと、ユニット型施設とは「宅老所(=現小規模多機能)」をモデルに考案されたスタイルだ。
グループホームもそうであるけれども、
少人数を固定した人間関係に置き、一定の固定した職員により「馴染み」の関係を作り、
より深いレベルでの「個別ケア」であるとか「認知症のケア」を、実践できる、
というはずであった。
「宅老所」で実践されていた馴染みの関係、認知症に対するケアは、
先駆的に行ってらっしゃった方々にとってみれば、
「必要に迫られて行っていた結果」辿り着いたスタイルであった。
職員は主に地域の主婦であったり、志の新たな介護職員であったり、
いずれも既存の「出来上がった集団ケアへのアンチテーゼ」として始められていた。
何よりも大事にされる事は「その人らしさ」と「どうして暮らしていきたいか」。
「宅老所」は、現在の介護保険事業所でいう「小規模多機能」という名前のごとく、
本当に多機能であって、
日によって、デイサービスにもなるし、今日は泊っていくか、に対応するし、
今日は来ないけれどどうしたかな、の訪問介護も提供する。
介護保険事業所としての「小規模多機能施設」では、細かい運営基準や算定要件等が事細かに決められているが、
前時代的な(現存しているけれど)宅老所には、
「好きな時に来て、好きな時に帰る。時々気が向いたら泊っていけば。
困った事が家であったら、手伝いに行くよ」
という地域の「よりあい」の場であるだけで、特に認知症対策であったわけでもない。
認知症に効果的であるという事は、偶発的な後付けの理由でしかなかった。
そんな必要に迫られて、地域の人たちが好きで始まった「スタイル」を、
ハードだけ真似て作られたのが、
「グループホーム」であり、
「ユニット型施設」である。
**続く**